一輌車花の籬に停車しぬ

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  • みのる:「花」と詠めば「桜」を表すというのは伝統俳句では絶対的な約束になります。なので他の花を詠むときは「○○の花」と詠む必要があります。籬という措辞があるので一読さくらをイメージしにくかったと思います。普通は囲い、垣根などのイメージですが桜に取り囲まれた小さな駅にぽつんと停車した一両車の景はメルへチックですね。多分ここでは?と思われる写真をヒントに貼っておきました。 - 2024/04/18(木)
  • 澄子:自分の経験から地方都市の路面電車を想いました。旅先で授かった一句かと。路面電車は大きな通りも走りますが 家々を縫うように市街地の中心も抜けて行きます。一輛車に乗った内側の視線の先の景とも 踏切を挟みすこし離れた処から停車する景色を眺めていたとも……個人のお宅の生け垣とも小さな駅を囲むように植えられた籬ともどっちともとれました。私も花の籬は思いつくままにドウダンツツジ 山吹 サツキ 躑躅 卯の花 利休梅……五月頃よく晴れた輝くような長閑な昼下がりを想いました。 - 2024/04/17(水)
  • 康子:狭い山肌を走る箱根の登山電車が浮かびました(一両ではありませんが)。「花の籬」がよく分からないのですが「花」を桜とするのであれば「籬」は例えで、満開の桜が垣根のように咲き誇っているということかもしれません。運転手さんが桜を見せてくれているかのようにピタッと停まった。もし電車の外からそれを見ているのであれば、一輌車と桜がまるで絵になるような光景。そしてもし電車の中にいるのであれば、小さな一輌にいるお客さんと綺麗ね〜と会話している光景。いろいろな光景が浮かびました。 - 2024/04/17(水)
  • かえる:一輌車ですから、江ノ電のような民家に接近したローカルな単線の列車を思い浮かべました。花の籬は、おそらく着座している乗客の目線の高さなので、低く刈り込まれた躑躅や皐月ではないかと思います。停車駅の、人もまばらなホームを見つめていた作者が目線を投じた先に思わぬ花の籬が。単線ならではの長い停車時間。見つけた籬に目を喜ばせているのではないでしょうか。 - 2024/04/16(火)
  • むべ:「一輌車」と言えば個人的には都電荒川線(さくらトラム)という路面電車をイメージしますが、調べたところ、関西にも阪堺電気軌道モ701形電車が1両編成で走っているようです。見当違いかもしれませんが、路面電車として味わうと、停留場は道路のレベルと同じか少し高いだけなので、道路の植栽が近いのではないでしょうか。「花の籬」は桜ではなく、山躑躅や皐月、満天星など。季感としては4〜5月の印象があります。乗客が乗り降りしているのですが、都心に向かう電車のように殺伐としたラッシュではなく、生垣に密集して咲いている花たちに目をやる程度には、心のゆとりがあります。まるで停留場で作者を出迎えてくれたようで、うれしかったのではないでしょうか。 - 2024/04/16(火)